アリエクの独身の日のときに、Mango Pi MQ-Proを買いました。価格は3,500円くらい(通常だと4,000円くらい?)。前からピンクのボードかわいいなと思っていたのでつい。
なお、Mango Piの性能の話とか使い勝手の話はぺんぎんさんのらぼ畜本に寄稿しましたので、そちらを買って読んでみてね。こちらの記事はおもに基板上の無線モジュールをどうにかする話です。
こんなかんじ
基板表面と付属物。カラーGPIOピンヘッダーとUSB-A to USB-Cアダプターとアンテナが付属していて親切。これらを抜いたら多分500円安くなるとおもう。
裏にRAM。RAMは512MBか1GBか選べて、もちろん1GBをチョイス。ELPIDAのロゴってこんな柔らか系だったっけ?
RISC-Vなやつをさわってみたかった
という感じで、形状からしてゼロピッピのパチモンボードなんですが、こいつのポイントはこれから注目の(ほんまか??????)RISC-Vを採用したAllwinner D1が載っていること。スペックはほぼゼロピッピと同じく1コア1GHzなので、性能的には期待できませんが、RISC-Vの息吹を感じるならこんなとこからで良いのかな、みたいなノリで買いました。
スペックとかはここを参照。
Mango Pi official website | Tiny and Elegant SBC | mqpro
Core3566よりも情報がなくて潔いですが、いちおうメーカー提供のArmbianか、Ubuntu提供のUbuntuイメージが動くらしいです(実際動きました)。Ubuntu公式のイメージが動くだけでもうCore3566には勝ちましたね。
無線
で、問題は例によって無線。Fn-Link 6223A-SRDという無線モジュールが載っていて、モジュールで使われているRTL8723DS共々、FCCと技適の登録はあるようなのですが、モジュール、パッケージ、説明書(そんなものはなかった)などにマークと番号の記載がないため、NGという判定になると思います。
6223A-SRD Wi-Fi Module from China manufacturer - Fn-Link
https://fccid.io/2A92A-RTL8723DS
というわけで、念のため(?)初めて技適の特例制度を活用しました。アカウント作成の本人確認はマイナンバーでサクッと。作ってよかったマイナンバーカード。e-Taxのために作ってもう5年以上になりますが。
実験対象はFn-Link 6223A-SRDとしました。実験内容は、アンテナチップを除去したりダミーロードを付けたりして、技適の問題がなくなるまで出力が弱められるかの実験としました。最終的にはモジュールごとMango Piから外れてもらうプランです。
対象をMango Piにしなかったのは、そもそも無線が型番無しだったりモジュールじゃなかったりして、Mango Piに完全に組み込まれたものだと、対象物をMango Piにせざるを得なくなり、無線まわりを剥がしても廃止後はMango Piが使えなくなると考えられますが、今回はFn-Link 6223A-SRDというモジュールが載っているため、Mango PiからFn-Link 6223A-SRDを剥がして廃止をすれば、単体では電波を発しないMango Piは対象外になると考えたからです。
以下、実験中に必要な表示情報です。
この無線設備は、電波法に定める技術基準への適合が確認されておらず、法に定める特別な条件の下でのみ使用が認められています。この条件に違反して無線設備を使用することは、法に定める罰則その他の措置の対象となります。
技適の特例制度、申請内容を記述するところに雛形ボタンが用意されていたり、おおむねボタンポチポチで進められたりして、簡単すぎてビビりました。
実験
ふだんからはんだ付けはこの板の上でやってるんですけど、なんか、指詰めるみたいな画になってて良くないな。でもやる。
アバーッ!パターンが剥げたけど取れました。どうせ戻さないのでOK!
写真を撮り忘れたけど、ダミーローダーも付けてもバッチリ無線を拾うので、なんやこいつとなりました。Fn-Link 6223A-SRD、君にはMango Piから外れてもらう。
無線、いらない、はずす
無線モジュールの緑の部分をまるっとはがせたら、Mango Piは技適的に問題なくなるはずなので、外します。
なぜか会社にヒートガンとフラックスが整備済み(部長の私物)だったので、それらを使わせてもらい、外します。なお、はんだごては会社設備。うちは何の会社なんだっけ。
特定部品だけ剥がすにはカプトンテープを使うらしいんですが、買うのを面倒くさがって、ダイソーのパウンドケーキの型に穴を開け、端を少し折って立てることで、周りのチップになるべく熱が行かない……といいな的な何かを作ってみました。歯医者のラバーダムっぽいですね。ガバガバですが。
後ろは雑にセロハンテープで固定したのですが、これはだめだったらしく、ヒートガンを当て終わったあとに剥がそうとしたら、セロハンがパリッパリになって剥がしにくくなってしまいました。頑張ってなんとか剥がしました。
やっていき。フラックスがブワーッと液体になり、いい感じにはなるものの、モジュールは剥がれず。むずい。
部長が撮ってくれたFLIRのやつ。390度くらいの熱風を浴びせても、シルバーのガワのところは150度ほどで、それほど温度は上がらない模様。
煙と臭いがすごかったので吸うやつを設置。これも会社備品。
そうこうしていると、シルバーのガワが外れてモジュールの内部が露出したので、「モジュール上の部品が取れればモジュールの基板部分はそのままで良くね」という判断にいたり、部品を全部取っ払いました。RTL8723DSやらタンタルコンデンサやら抵抗やらオシレーターをピンセットで根こそぎ除去。除去された部品は特例制度の申請物なので、廃止手続き後に使用されないようしばし保管とします。いや、こんなになったらもう使えないですけども。
熱いので、煙吸うやつでしばし冷却。
そうしてこうなった。きれいサッパリ……と思いきや、念のために一番最初の画像と比較していたら、右上のタンタルコンデンサが外れてしまった模様。しかも周りに転がっておらずしばし捜索。ティッシュにくっついていたところをなんとかレスキューしました。
適当に手はんだでくっつけてgot kotonaki.
動作確認
軽くテスターを当ててから起動の確認。ネットワークデバイスがなくなったので、USB-Ethernet変換を繋いでいます。Mango Piの性能からして、そもそも起動がゲロ遅く、Ubuntuもcloud-initやらsnapdが入っていてさらに起動が遅い(この2つをアンインストールすると30秒早くなる)ので、遅すぎて起動しているかどうか判別できず、シリアル接続してやっと確認ができました。
起動後はもちろん無線デバイスがないため、技適的に問題はなくなったと考えられます。
※enx00018eabb01dはUSB-Ethernet 1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 3: enx00018eabb01d: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether 00:01:8e:xx:xx:xx brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
というわけで、Fn-Link 6223A-SRDの実験は終わったため、廃止手続きをして、Mango Piのほうはいつでも使える状態となりました。