Raspberry Pi OS Bookwormでは、Wayfireを採用しつつ、使い勝手を維持するために、デスクトップ上部のlxpanelがlxpanelベースの独自実装であるwf-panel-piに変わっています。
で、Pi 5で使用したときにPDの電源次第で警告の通知を出すようになっていて、ここを翻訳しておきたかったので、やりました。そのうちパッケージ化されてアップデートで降ってきます。後述の別の翻訳もPi 4では表示されるので、Pi 4ユーザーにも恩恵はあります。
さてこのwf-panel-pi、こないだもブログに書きましたが、Bullseyeまでは各パーツがlxpanelのプラグインとしていくつかのリポジトリに分かれていたのが、全部1つのリポジトリに合体したため、翻訳リソースもやったものからやってないものまで全部合体してしまい、結果的に全部の未翻訳を翻訳することになりました……。
というわけで、夜な夜なやってた翻訳の成果紹介がてら、そもそも機能のご紹介をば。機能の把握をしないと使いにくい翻訳になりかねないので、一部わからんかった設定項目については、開発をしているSimonに質問もして、理解をした上で訳したりもしています。
プラグインの追加削除画面。パネルが左側・右側に分かれていて、左寄せにするか右寄せにするかという意味になっています。利用可能の枠から追加したいプラグインを左側か右側かに追加して、そこからプラグインを隣接のプラグインの左に置くか右に置くかを、左右に移動ボタンで調節します。移動ボタンは左側右側間の移動ではないので、そう言う移動をしたいときはいったん取り除いてから左右側に追加をやり直します。設定画面上、移動は上下じゃねえかとなりますが、原文が全部left/rightなのでしょうがない。日本語化するときにしれっと「側」をつけて区別したので、多少わかりやすくなったと信じたいですね。
CPU・GPUの使用率。デフォルトでは表示されないので追加しておくと便利です。あとCPU温度も。設定では、表示をパーセンテージにするかどうかと、グラフの色の設定ができます。
プラグインの設定はプラグインを右クリックして呼び出すか、プラグインの追加削除画面で呼び出せます。これはシステムトレイの設定画面。スクロールのしきい値と、システムトレイのアイテムのメニューを開くときに右クリックを使うかホイールクリックを使うかが選べます。が、そんなカスタムしたい人おるんか?なお、スクロールのしきい値については、Simonに質問したところ「ヨソから持ってきたから俺もわからん」とのこと。それでいいんか。
そもそもシステムトレイって何??っていうのをSimonに質問していたのですが、アプリがパネルにアイコンを生やしたいときのアレでした。例えばVLCとか、日本人とかだと必要になるfcitc-mozcのようなIMEを起動すると、システムトレイにアイコンが増えます。これも実は夏にベータテストをしていた頃に、アイコン出ないんだけどと報告したら、その当時Simonからはサポートしてないと返されて、でも他のタスクバーはWayland対応してるのもあるよみたいな共有をしていたんですが、いつの間にか対応していたようです。ありがたや。
あとスタートメニューの検索。メニューを開いているときにキーボードで入力すると、メニュー内のアイテムを検索できるんですが、ここにも設定項目があります。
検索窓の高さと、窓のサイズを固定化するかを設定できます。ここで言うサイズは、検索結果を指していて、入力ボックスは別です。最初これだけ見つけて、なんのことか分からず、Simonに質問をして理解しました。。
rc_gui(Raspberry Pi Configuration / Raspberry Piの設定)も
別途、rc_guiも多少項目が増減していたので翻訳しました。
起動時とか設定反映時にチョロっと出るメッセージ。これもアプリが出していたんですね。
BookwormからFirefoxもバンドルされるので、デフォルトブラウザーの設定が生えています。メニュー的にはBrowserをブラウザーにするだけですが、ツールチップはもう少し説明的なのがあるので、そう言うのもやります。
rc_guiでもPi 5固有の設定項目ができていました。オフィシャルの5V5AのPD電源を使っていなかったときに、USBポートの600mA電流制限とかUSBブートの阻止が発生しますが、/boot/config.txtにusb_max_current_enable=1を入れて無視できるやつがここでできるようになっています。オンにしたら設定が追加され、オフにしたら設定が削除されます。raspi-configでも同様の項目があり、設定が可能です。
おわり
以上、wf-panel-piとrc_guiの翻訳の紹介のような、ただの機能紹介のようなはなしでした。
Bullseyeでは、私が気まぐれにやりたいところだけ翻訳していたので、一部だけ日本語みたいなところがあったと思いますが、今回もちょっとやるつもりが、全部やるハメにあいました。おかげで日本語表示が充実したので、英語マヂムリな方にも触りやすくなっていれば幸いです。
まあ、他にもまだまだやるべき翻訳はあるのですが、それはまた気が向いたらということで……。
ところで、ログアウトのときに出るこれは、さすがに読めるだろと思って放置していますが、やったほうが良いんでしょうかね🤔。日本語らしく出来そうなのがShutdown→システムの終了、Reboot→再起動くらいで、Logoutはログアウトにしかならんなあという気持ちですが……。
コントリビューションまとめ(将来自分が掘り返す用)
wf-panel-piの翻訳対象をまとめたPOTFILES.inが古かったので、まずアップデートを依頼するやつ。ファイルが無いエラーを3〜4回報告したり、必要だけど入ってなかったファイルを追加してもらったり。なんでfind|grepで収集しなかったのかはわからず。
こちらの深夜に連絡すると、むこうは夕方くらいなので、中の人の手が空いているとチャットみたいなスピードでやり取りが進むのですごい。しかし夜更かしがはかどるので体には悪い。
POTFILES.in needs update · Issue #2 · raspberrypi-ui/wf-panel-pi · GitHub
Some texts are not applied to the translated text · Issue #3 · raspberrypi-ui/wf-panel-pi · GitHub
翻訳していて最後まで何の設定か分からなかったやつを質問。
Questions about some setting items · Issue #5 · raspberrypi-ui/wf-panel-pi · GitHub
そしてプルリク。
Update Japanese translation by Akkiesoft · Pull Request #6 · raspberrypi-ui/wf-panel-pi · GitHub
rc_guiのほうのプルリク。
Update Japanese translation by Akkiesoft · Pull Request #69 · raspberrypi-ui/rc_gui · GitHub
(追記)pipanel改appsetもやったので
Update Japanese translation by Akkiesoft · Pull Request #16 · raspberrypi-ui/appset · GitHub