Raspberry Pi ZeroではMicroUSBポートにOTG接続することができますが、1A/1A+でもできますって書かれている部分は試したことがなかったので改めて調べただけの話です。一つ前の記事にも書いたとおり、200台の1Aを配っていく感じになっているので、PiZeroよりしょぼい点(も、実はメモリが256MBなだけですけど)を埋めるべく旧モデル活用ネタを発信していきます。と言うか、私もまとまった台数で遊べるのはなかなかないので遊びたいですからね。
やり方は、冒頭の"1A/1A+でもできます"のリンク先のコメントにあって、config.txtに書くdtoverlayにパラメータを一つ足すだけでした。cmdline.txtの方は通常通りmodules-load=dwc2,g_ether(これはEthernetの例)の追記でOK。
Simple guide for setting up OTG modes on the Raspberry Pi Zero · GitHub
dtoverlay=dwc2,dr_mode=peripheral
dtoverlayのREADMEにあったぜ、とのことですが、hostが普通のUSBポートで、OTGがIDピンとかで気にするタイプのOTGで、peripheralは…周辺?。いちおうラズピッピ固有の話題ではなく、dwc2は一般的なUSBな話っぽいですが、区別がよくわからないのでとりあえず試します。
firmware/README at master · raspberrypi/firmware · GitHub
peripheralを追記したあと、USB Type-AのオスオスケーブルでMacと接続したところ、PiZeroと同じようにEthernetデバイスが見えました。良さそうです。一方、あえてパラメータをotgに変更して試すと認識されなかったので、これはPiZeroで使うべきパラメータになるのでしょう。hostは多分デフォルトのUSBポートのことだと思うのでパスしました。
一応、1A/1A+両方で試してバッチリでした。
まとめると、1A/1A+でもOTG的なことはできますが、パラメータを明示的にperipheralを指定しないとhostになってしまうのでちゃんと書こうということのようでした。PiZeroがこの辺自動で認識するのは、ID_PINの有無で判別できる感じなんでしょうかね〜。
あと、1A/1A+でOTGするときにUSB Type-Aのオスオスケーブルを用意するのが面倒なのが難点かもしれません。一応売ってないこともないですが、結構マニアックです。私の知る範囲ではアキバの安いUSB-HDDケースの接続がこれだったりしましたが、他の例を知りません。なんか壊れたUSBデバイスなりケーブルなりを2つ拾ってきて合成するのが早いかもしれません。こんなかんじで。。
Raspbian 2018-10-09版
気がついたらRaspbian 2018-10-09版がリリースされていました。raspberrypi.orgのBlogに書かれてたかしらん……?しれっと変更のインパクトがでかそうに見えたので、リリースノートからつまみ食いして書いときます。
http://downloads.raspberrypi.org/raspbian/release_notes.txt
- デスクトップ版の初回起動時のウィザードが諸々改良されている様子。
- Removed Mathematica(!!)
- ffmpegのハードウェアアクセラレーションの追加。多分いろいろ早くなるんじゃないかと期待できるんですが、何がどう早くなるのかは不明
- WiFiとBTを両立するためのパラメータ改良とのこと
- Run fake-hwclock before systemd-fsck-root。確かにfsckするときにタイムスタンプずれてたらまずそう?
- Raspberry Pi PoE HAT support。おそくね?
Mathematicaが一部の人にはデカい変更に感じられそうですが、Wolframの中の人いわく引き続きaptコマンドでインストールできるそうなので、単にバンドルされなくなっただけのようです。個人的には使うことのないソフトだったので、apt upgrade中にデカいパッケージをダウンロードされなくなるのはちょっとうれしかったりしますが、必要な人は都度デカいパッケージをインストールする必要が生じるのでだるそうです。
Mathematica+WolfLang will continue to be available on RPi, & can currently be downloaded from https://t.co/esc1Zg72kO
— Wolfram (@WolframResearch) 2018年10月15日
The following command will install it:
sudo apt-get update
sudo apt-get install wolfram-engine
Existing installations on RPi will continue to work as before.
~RN
Raspberry Pi PoE HAT supportはハードのリリースからちょっと間が空きましたが大丈夫だったんでしょうか。PoE HATといえば、電源USBポートに十分に電力供給ができない不具合が見つかっています。具体的にはキーボードとかマウス程度の消費電力なら問題ないけど、USBのハードディスクをぶら下げられるとだめといった具合の様子。問題に該当する人には返金に応じる方向のようです。また、回路の改善方法も提示する予定だそうです。PoE自体一般のご家庭向けのやつじゃないのでそんなに個人でハマったという方はいないでしょうけど、参考までに。ンマ、PoEかつPXEブート+NFSストレージ運用にしてLANケーブル1本でやるのを大量に並べるみたいなやつならとくに問題ないのかなとか。