あっきぃ日誌

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Raspberry Pi 4 Case Fanがでた(Pi4にファンは必須かどうか)

Raspberry Pi Advent Calendar 2020の1日目です。Raspberry Pi Advent Calendarも今年で6年目です。よかったら参加してね。

adventar.org

ちょうど昨日、Raspberry Pi 4 Case Fanというものがリリースされたのでその話と、Pi4にファンは必須かどうかという私の適当な考察です。

Raspberry Pi 4 Case Fan

Raspberry Pi 4 Case Fanは、すでに発売済みのRaspberry Pi 4オフィシャルケースのフタ部分に取り付けて、ケース内で空冷を実現するというオプションパーツ的なもののようです。SoC用ヒートシンクも付属です。「高負荷で動かし続ける場合やオーバークロック運用するときでも安定しまっせ」とのこと。ええやん!

www.raspberrypi.org

raspi.jpにもサラッと紹介を書いておきました。

www.raspi.jp

ちょっと前にはRaspberry Pi OSをアップデートするとraspi-configにファン設定が生えていたので、この辺にも関連した機能追加だったのかもしれませんね。

akkiesoft.hatenablog.jp

Pi4にファンは必須かどうか

公式のファンが出ると「やはりPi4にはファンが必須!」という方がちらほら出てきそうな気がしているのですが、というか、ファン設定のブログを書いたときですらそういうコメントが見かけられたので多分いるはずなんですが、もちろん用途にはよるものの、必須ではないというのが私の感想です。

EbenのCase Fanの記事でも私のブログでも言及しているのですが、Pi4はリリース以降に発熱を抑えるための改善が進み、いまはPi4発売当初に騒がれたときほど発熱しません(そしてまた記事を貼る)。

www.raspberrypi.org

raspi-configのファン設定でしきい値を60℃に設定して、VNC接続したRaspberry Piのデスクトップ環境でWebブラウジングしてみると、広告や画像が多いページでは数分に1回ファンが作動して、数十秒ほどファンが回って50℃まで下がったら停止し、アイドル状態の55度に戻ると言った具合でした。多分ターミナルを開いてスクリプトを書く程度ではファンは回ってくれません。これを検証した環境は、PimoroniのPiBowとFan SHIMの組み合わせです。ファンが回らないときでも熱がこもることはありません。

Fan SHIM – Active Cooling for Raspberry Pi 4 – Pimoroni

これがPi4オフィシャルケースになると、ケースのフタで覆われて熱がこもると思われるので、PiBowと同じように考えるのは適切ではなさそうです。オフィシャルケースユーザーはCase Fanがあると良さそうですね。

参考までに、自宅でPiBow+ヒートシンクで常時稼働しているPi4サーバーのSoC温度を監視した結果はこの通り平均52℃でした。基本的にアイドル状態に近いのと、今年はフル在宅勤務で夏季はエアコンがずっと動いていたからこの結果とも言えます。(2回くらい70℃を超えた時に何があったのかは私にも不明。あと、動作スピードとかは監視できてなかったのが惜しい。)

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ちなみに使用しているヒートシンクはPimoroniが販売するPi4向けのこちら。

Raspberry Pi 4 Heatsink – Pimoroni

また、今年動かしていたFold for Covidのように常に計算がぶん回る、「高負荷で動かし続ける場合」に相当する用途ではやはりファンが必須です。複数台動かすならデカいファンでまとめて風を当てると効率がよく、静かです。余談ですが、Fold for Covid環境は一旦停止中です。設置場所が良くなく、ファンもPi4もホコリまみれになりがちで嫌になってしまいました……。

akkiesoft.hatenablog.jp

まとめ

Pi4の冷却に対する私の感想は、PiBowユーザーだからというのもありますが「ファンは1つ持ってると安心。負荷をかけない使い方ならヒートシンク運用も今は全然アリ」です。必要に応じて使ったり使わなかったりできるので最低1つあればという感じです(と言いつつ私は台数分持ってる)。オフィシャルケースを使用しているのであれば今回リリースされたCase Fanが最適でしょうし、Pi4リリース当初から存在しているPimoroniのFan SHIMもおすすめです。大した熱出すような使い方しないから……という方はヒートシンクもOKだと思います。小さいヒートシンクで問題ないかどうかはやったことがなくなんとも言えないので、Pibowケースとセットで上に貼ったヒートシンクを使いましょう(Pimoroni沼へようこそ!)。

オフィシャルケースの場合は、多分ファンがあったほうがいいと考えます。「フタを閉じた中でファンが回るのはどうなのか」とも思えますが、たぶん、USBとLANのポートの隙間からあんばい良く空気が出るか入るかするんじゃないかなと想像しています。

要するに用途とかケースに応じて使い分けましょうという感じです。そう言える程度にはファン冷却が必須の選択肢ではなくなったという感じです。

個人的にはビジュアル的なインパクトが強いこいつとかも大好きですけどね(持ってない)。