Raspberry Pi OS (32-bit)の2020-08-20版がいつの間にかリリースされていました。RSSリーダーでチェックしていたつもりが、Raspberry Pi OSに改称後、リリースノートのURLがしれっと変わっていて更新を取りこぼしていました。しょんぼり。
前回のリリースからの変更はバグ修正が多めですが、Linuxカーネルが5.4.51に変更された点と、Raspberry Pi 4のEEPROMのリリースバージョンやPXE/USBマスストレージブートの有効化の設定がraspi-configコマンドでできるようになったのが目玉でしょうか。カーネルはちょっと前からapt upgradeで降ってきていたので、もう気づいてる or 使っている人は多いとは思いますが。
リリースノートにはないですが、(5月リリースバージョンからapt upgradeした環境で)気がついたらVLCのアップデートがあって動画再生にGPU支援が入ったっぽく、CPUの負荷なしに動画が流れるようになっていました。この辺はおそらく昨年末くらいからテスト版としてフォーラムあたりでやり取りされていたものと思われます。
EEPROMのリリースチャネルとPXE/USBマスストレージブートの有効化
これまでもちょいちょい取り上げてきた、最新のEEPROMに切り替えてPXE/USBマスストレージブートを有効化する手順ですが、raspi-configで手軽に有効化できるようになりました。切り替え作業には一旦SDカードでブートして設定する必要がありますが、設定後はSDカードを引き抜いて、PXEかUSBマスストレージで起動できるようになります。
さて、設定項目は、raspi-config(CUIの方)のBoot Optionsメニューに追加されています。
「Boot Order」がPXE/USBブート設定の項目、「Boot ROM Version」の設定がEEPROMのリリースバージョン設定です。
「Boot Order」を設定するには、先に「Boot ROM Version」の設定に入って「Latest」に変更する必要があります。
なお、ここでの「Latest」と「Default」は、/etc/default/rpi-eeprom-updateファイルのFIRMWARE_RELEASE_STATUSに書かれる「stable」と「critical」に該当します。Latest == stableは最新の安定バージョン、Default == criticalは最新の工場出荷バージョンという意味になります。「Boot Order」の設定はまだcriticalには適用されていないため、stableに変える必要があります。
「Boot ROM Version」を設定したら「Boot Order」の設定ができるようになります(再起動せずにそのまま続けられます)。現状ではUSBマスストレージブート・PXEブート・SDカードブートの並べ替えではなく、USB→SDかPXE→SDのどちらかしか選択できないようです。
手動でやればPXE→USB→SDみたいな設定もできます。この辺を参照。
ここまでできたらRaspberry Piを再起動して、選んだ方にあったブート環境を整備しましょう。USB SSDブートは慣れたらSDに戻れなくなるのでやばいです(ややオーバーな感想)。PXEブートも自宅NASなどの常設ストレージなどと組み合わせればSDカードレスな運用できるので常設とかにも向いています(PXE/TFTPサーバーの用意がいりますけどネ)。