以前からRSコンポーネンツの個人向けRaspberry Pi正規代理店をしているKSYが、2月24日からRaspberry Pi Zeroの取扱いを開始するようです。日本では初の取扱いとなり、すでに相当注目されているようでサイトが一時開けないなどの混乱も見られました。24日からだって。
Raspberry Pi Zero 取扱開始のお知らせ - Raspberry Pi Shop by KSY
というわけで、24日は争奪戦が繰りひろげられそうなのは目に見えているので、KSY以外の購入方法も含めて、改めてRaspberry Pi Zeroについておさらいでもしてみましょうか。
PiZeroのスペックについて
PiZeroはPi1をベースに小型・低価格化したボードです。なので、スペックもPi1とほぼ同等です。ただし、CPUクロック数はPi1よりも少し多めの1GHzになっています。それでもPi3と比べるとかなり性能で劣るため、少なくともデスクトップ用途はきついかもしれません。
- SoC: BCM 2835 1GHz (1B+/1A+は700MHz)
- メモリ: 512MB
- ポート
小さく、薄くまとまっていることが特徴ではありますが、HDMIやUSBポートも小さくなっているため、これらを使うには変換アダプターなどが別途必要になります。海外の販売ではアダプターセットもあります。
PiZero対応OSについて
Pi2/3ではCentOS、Ubuntu MATE、Windows 10 IoTなどなど起動OSが増えましたが、これらはPi1では動きません。Pi1と同じSoCを積むPiZeroでも同じとなります。詳細は利用したいOSのサポート状況を確認してください。
あと、公式のRaspbianはインストール後もモデルをまたいで利用することができます。例えば、Pi3で環境を構築したMicroSDカードをPiZeroに差し替えて使うこともできます。時間がかかるOSアップデートとかパッケージのインストールとかをPi3で手早く終わらせられるメリットがあったりするので、Pi3も買うといいと思います(錯乱)。
OTGモードは便利
OTGモードを有効にすると、USBデータポートとPCを直結して1:1でLAN接続することができます。詳しくはこの辺に書きました。意外と便利なので覚えておくといいと思います。
電源は若干不安定
起動後にWi-Fiドングルなどを抜き差しするとリセットする、初期のラズパイのような現象が見られます。Pi3などと電源回路を見比べるとコイルの有無部品の型番などで違いがあるので、そのへんの差によるものかと思ってみています(個人の推測です)。起動後の抜き差しは控えるのが良いかと思います。
こういう変換アダプターを使うとコンパクト
MicroUSBポートにWi-Fiドングルを刺そうとすると変換アダプターがゴツくて「PiZeroの小ささとは…」みたいな感じになるので、↓みたいな変換アダプタをゲットしておくと良いでしょう。海外通販の例であれなんですけど、国内でいい感じのところを適宜見つけてもらってもいいと思います。
KSYでの購入について
さて、KSYの販売でも、世界中の他のショップと同様「1ユーザー1台」と言う制限になっています。ここでKSYだけ制限がないとなると、世界中のユーザーが殺到するだとか、不公平だと騒がれることになるので、ごく当然のことです。
Pimoroniでは、1台ずつの注文を日をあけて繰り返すことで購入することができましたが、KSYでもできるのかどうかは不明です。Pimoroniのそれは「1オーダー1台とは書かれていないけど実際はそうなっている」と言う現状がわりと紛らわしいのですが、KSYでもそういう買い方ができるといいですね。
KSYでの販売価格は税込み702円とのことです。KSYでは5000円以上のお買上げで送料が無料になりますが、越えない場合は756円の送料がかかります。つまりPiZeroだけを買うと合計1,458円となりそうです。KSYでは日本産Raspberry Pi 3も取り扱っているので、例えばこれを合わせ買いすると送料が無料になります。お得ですね(錯乱)。
また、当たり前ですが国内から発送なので、注文殺到による混乱がなければ2,3日で届くのではないかと思います。
Pimoroniからも買えるし値段が変わらないです。
従来、PiZeroは海外から個人輸入するしか手段がありませんでした*1。もし個人輸入する場合はPimoroniから買うのがおすすめでしたが、今でも変わらずおすすめできる手段だと思います。
Raspberry Pi Zero - Max 1 Pi Zero Per Customer!shop.pimoroni.com
価格は本体3.33ポンド+送料5ポンド==8.33ポンドです。ページでは本体は4ポンドとなっていますが、いわゆる税込価格です。日本円に直すと、Google先生曰く今日は1ポンド141円ほどとのことなので、本体469円+送料706円==1,175円前後となります。もちろん、その日の為替やクレジットカード会社ごとのレートにより変動するので各自で確認してください。どちらにしても、KSYで買うのとだいたい同じ価格ということがわかります(KSYがメール便発送なんかを始めたら状況は変わってきそうですが)。
購入はクレジットカード・Paypalなどが利用できます。あとは自分の住所を英語で書ければ基本的に買えてしまいます。
到着までの日数はさすがにイギリスから(Royal Mailで)発送されるため、10日前後で到着します。
Pimoroniの良いところとして、ケースやPiZeroの本体サイズに合わせた各種ボードも多数販売されている点が挙げられます。とりあえず買ったけど何していいかわからなくて放置になっちゃいそう…という方はぼけーっとこれらのボードを眺めてみて、気に入ったものを合わせ買いしてみると良いかもしれません。いくつかは購入レポートを私のブログで取り上げてますので、参考までに。
あとはPimoroniを見ていただければ……。
PiZeroって今どのくらい品薄になったりするの?
昔こそ品切れしていて、昔のたまごっち並に希少なアイテムでしたが、Pimoroniをたまにウォッチしている限りでは、今は品切れになることはあまりないようです。
しかし、OSCで出展してPiZeroについて説明していると、今は品薄になっていないことも、Pimoroniから買えることも、知らない人が多い印象なので、冒頭にも書いたとおり、各所のニュース記事を見てPiZeroがほしくなった人がKSYに殺到するであろうことは簡単に予想されます。
KSYがどのくらい入荷しているかはもちろん知りようがないですが、日本での販売も少しの間混乱するのではないかなあと予想しています。最初の世界での販売でも混乱してましたし。まあ、混乱がなければただの杞憂ですけどね。
まとめ
- PiZeroはPi1B+/A+とだいたい同じスペック感、ちょっと違うけど
- 動作OSもPi1と同じ。Pi2/3向けのは動かない。Raspbianは全モデル共通で動く
- PiZeroの開発用にPi3を持つのはおすすめ
- 到着に日数がかかるけど、Pimoroniから買ってもいいぞ、値段変わらんし落ち着いてるし変なボード沢山あるし