あっきぃ日誌

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Raspberry Pi 5の細かいネタ

Mastodonには書いたりしてた細かいやつをまとめて書きとめておくやつ。

(だいじな追記)このRaspberry Pi 5はお預かりしているサンプルです。

侵入型リフローの採用と基板裏面の変化

Raspberry Pi 5の製造工程では、侵入型リフローというものが採用されたため、品質向上と効率化ができ、エネルギー消費が多い選択型はんだ付けとウェーブはんだ付けというものが工程から排除されたそう。

www.raspberrypi.com

Raspberry Pi 5 marks the introduction of a number of manufacturing innovations. One of these is intrusive reflow for connectors, which improves the mechanical quality of the product, increases throughput, and eliminates the costly and energy-intensive selective- or wave-solder process from the production flow.

おそらくこのおかげと思われるのが基板裏面の部品飛び出し具合。raspi.jpでも触れましたが、GPIO・PoEのピンヘッダや、USB・LAN回りのパーツの足が、基板から飛び出さなくなっているのがわかります。おそらく従来ならこのあたりに選択型はんだ付けが使われていたんじゃないでしょうか(画像検索して、そうかなー?って思った次第)。

Pi 4を真横から見るとこう。MicroSDとLANとUSBの足で立っているのがわかります。

Pi 5はこう。LANとUSBの足はなくなり、MicroSDとなんかわからんやつで立っています。

なんかわからんやつというのは、四角い輪っか上の部品(GND)。このおかげでMicroSDカードスロット以外の部品がテーブルに直接触れず、水平に置けるようになっています。


基板がささくれてない

あとこれ。

Others include fully routed panel singulation for cleaner board edges

従来なら基板の上下のエッジがささくれていて、指にささろうものならしばらくチクチクするので、自分で紙ヤスリがけをして落としていたのが、改良によってきれいになったようです。確かに触っててもささくれがなくてすべすべしてます。これはありがたい〜。

カバーというかフタ

RTCバッテリー、UAT、ファンのコネクターにカバーと言うかフタが付いてるんですけど、わりと取れやすくてなくしやすそうので、子供とか動物とかがいるご家庭ではあらかじめ外して口チャック袋とかに入れて保管などすると良さそうですね。わたしは子供とか動物とかがいないんですが、そうしました。


歴代Raspberry Pi発表年と採用Armコア発表年の差一覧

どこかのコメントで「Raspberry Piはそこそこのスペックでそこそこの価格が良かったのに」というのを見かけたので、べつにPi 5もちゃんとそこそこなんじゃねえのと思って、歴代のRaspberry Pi発表年と、その時採用されたArmコアの発表年の差を表に起こしてみました。年の情報はおもに英語版Wikipediaです。

初代(Zero Wをふくむ)のARM1176JZFの発表年がWikipedia曰く2003年と出てたまげつつ、もしかしたらマイナーチェンジ版がもっと近いのかもとは思いましたが、出てこなかったので2003年として、Pi 2以降はだいたい3年か4年前のArmコアを採用していました。Pi 5も大きく外してはいませんが、久々に4年を超す差のあるA76(2018)を採用していました。急に最新のArmを採用!ということはなく、むしろ過去のパターンから見ればA77(2019)とかA78(2020)が採用されてもおかしくはなかったかもしれません。

よって、2023年にあるべきRaspberry Piのそこそこのスペックはコレ(Pi 5)ということになりそうです。悪口かもしれませんけど「Sandy Bridgeおじさん」のそれっぽい気がしますね。かくいう私も足元のSkylake世代の自作機でまだ十分だと思っていたら、Raspberry Pi 5がSkylake並の性能(2018年のインプレスの記事より)に迫ってきて困惑しています……こわいね。

pc.watch.impress.co.jp

それでも「もっと性能がなくても十分足りるはずだ」と思うようならPiZero 2Wがありますし(買えない?いいえ、今すぐKSYさんから購入できます。しかも上限3枚ですって!)、Pi 4も併売されていきます。用途に応じてお好きなPiを買えば良いですし、用途によってはPico Wを選択して値段も消費電力も下げられる可能性もありますし、選択肢はたくさんあります。個人的には3A+は1GB RAMになって欲しいですが:P

価格に関しては、一番でかいのは為替なのでどうにもならんですね。円高に向いてもらうてるてる坊主的な願掛け無いですかね🤔?それでも、例えば1.6万くらいでPi 5 8GBが買えたとしても、ML115とかをNTT-Xで1.6万くらいで買って狭い部屋に並べてた頃を思えばコスパも何もかもがすごいんですけどね。いやこれも完全にジジイ仕草だわ。

ラズピッピ在庫監視(日本)

PiZero 2Wの在庫で思い出しましたが、日本のRaspberry Pi 認定リセーラーさんのラズピッピ在庫監視は変わらず稼働していますので参考までに。Pi 5もそのうちリストに追加します。

shrimp.marokun.net

9月のイギリスイベント中に、両社にこれの存在は伝えまして、少なくとも「やめろバカ」などとは怒られませんでしたので、どのモデルも常に買えるようになって監視いらねえやってなるまではダラダラと動かすつもりです。

35ドルは無いのかよ

Raspberry Pi 5の細かいネタ - あっきぃ日誌

値段に関していうと為替っつーかメモリで全然値段が違うので、「そこそこ」ってのはメモリ少ないモデルの話をしてるのではと思った。Pi5は4GBと8GBしかモデルがないのか。Pi4までは1GBモデルがあるんだよね。これが35$

2023/10/03 16:25
b.hatena.ne.jp

基板表面のメモリのサイズを示すチップ抵抗が実装されている場所を見ると、2GBと1GBのパターンが用意されているので、いずれは出ると見ています。

35ドルのメニューを最初から一緒に出さなかったのは私も少し意外に感じましたが、生産ラインを当初だけでも売れ筋に絞らざるを得なかったのかなと思うことにしています。他のモデルも在庫安定化のためにまだまだ生産しないといけないでしょうし。

メモリの容量がそこそこのものを出したところで、言っている人らがそれで満足できるかどうかはまた別の問題だろうなと……。

JamesとEbenのトーク

せっかくなのでこの記事はしばらく追記していくスタイルにでもしようかと。

10/3のraspberrypi.comのニュース記事は、CTOのJamesとCEOのEbenによるトーク動画の掲載。電源採用の理由とか、この記事の冒頭に書いたリフローの話とかを50分にわたって話濃厚なビデオになってました。

www.raspberrypi.com

言うて私には聞き取れないし50分のテキスト書き起こしを読むのもまあまあ大変なので、テキスト翻訳をかけて、気になるところを追っかけて読むと良いでしょう。

www.raspberrypi.com

「冷却はいる?」の公式見解

本体リリース後は基本的に本体の解説記事が連続で掲載されますが、Raspberry Pi 5もいつも通り公式提供の記事が続いています。

10/4の記事は冷却の必要性について。raspi.jpのほうで私も少し冷却の効果について触れていますが、曰くYouTubeを見るくらいなら冷却無しでOKとのこと。そうではなくてCPUをしばき続ける系はあると良いという感じのようです。

www.raspberrypi.com

ちなみに一つ前の記事に書いたMinecraft JEサーバー、はヒートシンクのみで動かし続けたところ78度くらいで推移しており、ファンを追加したら50度弱に落ち着きました。常時稼働するものがあるならあったほうが良さそうです。アイドル時間が長い用途ならヒートシンクだけで足りるかもしれませんね。