Raspberry Pi Advent Calendar 2021の8日目です。
10月末に発行されたMagPi Issue 111で掲載された私のインタビュー記事で、英訳して貰う前の日本語の原稿を上げておきます。書いたけどカットされた部分は省略しています。
上のページからPDF版がダウンロードできるので、テキストと合わせて見てみてもらえると幸いです。また、写真は目次のページにマジョカアイリスLCDの画像が掲載されています。
もしくは、Web再編集版もあるのでお好きな方で〜。
冒頭
Raspberry Piを触るまでは電子工作が全くできなかったので、PCのデバイスを改造していました。はんだ付けはできたので、ジャンクのマウスにペンを突き刺してペンタブレットの代わりになりそうな物体を作っていました。
2009年からは、当時飼っていたハムスターを出張先からお世話するための工作を、光学ドライブを作って作り始めました。2009年はまだIoTという言葉はまだあまり知られていませんでしたが、光学ドライブのトレイの動きと、ダンボールやバネなどを組み合わせて、ハムスターにえさを与えたり、エアコンの電源ボタンをトレイで小突いて操作したりしていました。今ならRaspberry Piとサーバーモーター・赤外線LEDでかんたんかつスマートに実装できてしまうので、とても良い時代になりました。
Raspberry Pi をいつ知りましたか?
Twitterのログをさがしたところ、2012年3月12日にRSコンポーネンツのページでRaspberry Piを見つけていました。当時は光学ドライブを使ったIoTをイベントでデモするために、Linuxを入れたネットブックを使っていたので、Raspberry Piを使えば非常にコンパクトにできるだろうと思いました。実際にRaspberry Piに置き換えたあとは、そのコンパクトさを活かしてヘルメットにくくりつけてウェアラブルな光学ドライブを作ったり、Raspberry Piを光学ドライブに内蔵したりできました。
これまでに作ったプロジェクトでお気に入りのものはありますか?
プラレールという日本の子供向けの鉄道のおもちゃにPiZeroとカメラを搭載して、スマートフォンから映像を見ながら操作できるようにしたプロジェクトがお気に入りです。モータードライバーとリポバッテリーを内蔵して、車体はPiZeroとカメラを貼り付けています。
モータードライバーを使って加速と減速を制御したり、WebUIのデザインを工夫したところが楽しかったです。
日本のメイカーコミュニティとUS/UKのメイカーコミュニティの違いについてなにか気づくことはありますか?
海外のコミュニティは(日本のコミュニティも実は)それほど詳しくはないですが、海外のメイカーイベントの様子を見ると、日本では法律や場所の広さの問題でできないようなスケールの大きいものもよく作られている印象がありました。日本は家が広くないので大きなものが作りにくいせいかもしれませんね。
日本は電源や電波に関する独自の認証制度があり、海外の製品が日本で使えるようになるまでに時間がかかるか、そもそも製造メーカーが認証を取得しないために日本で使用できないことがよく起こるため、アメリカ(FCC)やイギリス(EC?)などと比べると、日本は特に電波を扱うプロジェクトの自由度が低い(作品が出てきにくい)かもしれません。*1
ジャンク部品を手にしたときのコミュニティの団結感はすごいと思っています。2021年の初め頃には、子供向けの玩具に内蔵されていた640x48ピクセルのLCDを取り出して解析するのがTwitterにいる日本のメイカーで流行しましたが、知り合いでもそうでなくても、TwitterやGithubに情報を持ち寄って、数週間で自由に制御できるようになる様子はすごいなと思いました。もちろん今ではRaspberry Piでも使えます。写真は、私も購入してコミュニティの情報を参考に動かしたものです。
あなたの活動はどこで見られますか?
今はCOVID-19の影響でオフラインイベントが開催されていませんが、日本の各地で開催していたオープンソースカンファレンス( https://ospn.jp/ )では、Japanese Raspberry Pi Users GroupとしてRaspberry Piの作例を紹介する展示をしたり、セッションでRaspberry Piの情報を発信したりしていました。また、日本のMaker Faireでも展示をしていました。
オンラインでは、私のブログやMastodonでプロジェクトの紹介をしたり、制作過程を投稿したりしています。
*1:これがPiZero2リリース記念号に載ったのは、やっちまった感あるよな!🤣