あっきぃ日誌

ラズピッピブログのようなオタクブログのようななにか

OSC2025 Tokyo/Fallレポート

10/25はOSC2025 Tokyo/Fallでした。

前日はやや夜ふかし気味で就寝したら、朝5時に部屋の火災報知器が電池切れだとかで騒ぎ出したので叩き起こされ、完全に寝不足での参戦となりました。ゆ、許さねえ!

そして例によって昼メシは買いに行きそびれ、それを知っていたかのようにとしぁから差し入れてもらった赤飯おにぎりとinゼリーで耐え凌いでいました(毎度助かる……ありがとう)。1日しゃべり倒したので喉は枯れました。参加者数が多くても少なくても、ブース対応の忙しさは変わらないんですよね!ふしぎ!

まずは朝イチの会場。


Raspberry Piユーザー会ブース

今回はこんなかんじ。田園都市線の列車位置モニターがJSONが取得できなくなった影響で作品としても終了して減った一方、初展示のPi 500+とか、自作キーボードのTinyPicoElevenとか、Touch Display 2の5インチ版が増えたので、トントンか、ちょっと増えたかも?という感じです。

メインのPi 500+。初めてみました!っていうコメントをたくさんもらいましたが、たぶん日本語配列の展示は国内では初めてなので、まあ初めてでしょうね……!!

左に置いたTinyPicoElevenは、gitのコマンドをセットしたマクロキーボードとしてデモしました。これは実際にMastodonのコードメンテ用に作って使っていたやつなのでした。メモ帳で入力できるようにして遊んでもらっていました。

キー配列については、大丈夫っぽい人、ちょっと気になる人、様々のようでした。あとは何度か再起動をして、キーボードが光るのをデモしたり。

AIカメラについては、ちょっと前に買ったTouch Display 2の5インチ版でデモしました。モバイルディスプレイがPi 500に取られてしまったので、やむなしという感じです。Pi500+にカメラを接続できたら良かったんですけどね。5インチだと、やっぱりデモ用にしてはちっちゃすぎるかなあ?という感じもします。小さいからこそ各地のデモに持っていきやすいんですけどね。

夏頃からやっているMisskeyリアクションモニターは引き続き展示。Pico W+APIをつついてディスプレイするネタと言う意味では、この個が列車モニターの代替と言えます。ただ、展示中はMisskeyをやっているどころではないので、リアクションをもらい続けるうのも難しく。なんかもうちょっと映えさせたい気もしています。


自分のブース

なんか、きたないしナゾのブースと化していましたが、こんな感じでした。

基本的には薄い本と基板の販売をしていました。購入してくれた人には、左下の箱に入った何かしらをプレゼントという感じのことをやっていました。何かしらは、家の断捨離で出てきた本やらPCパーツやら様々です。おかげさまで、何かしら目当てでもそうでなくても、本とか基板を購入してくれる方が思っていたより多くて良かったです。ありがとうございました……!

ちなみに、レジ端末には私物のPi 500と、HyperPixel4 Squareを組み合わせました。いつもはCutie Piを使用していますが、Pi 500も持って行きたいよなあということでチェンジしました。OSをTrixieに移行して初めてのレジ稼働でしたが、レシートの印刷も含めて問題なく稼働できました。

CD-ROMドライブが、今回からEjectZeroがEjectPicoに変わっていたのですが、気付いたでしょうか。こいつを操作するためのURLがセットされたQRコードを準備し忘れたので、リモート操作のデモとしては失敗でしたが……。ドライブにシールで貼り付けておけばいいんですよね。次回はそうします。うーん忘れそう。


かたづけ

今回は構成がいつもと変わったせいか、片付けに時間がかかって、会場片付け班をおまたせしてしまいました。いや、いつものことなのかもしれないんですけど。これもいつも通り、お手伝いしましょうか?って言われたりもしたのですが、小物が多く、箱にもパズルがごとく詰めないとあふれるので、なかなかお手伝いいただくのも難しい〜。

懇親会

浅草では初の公式?懇親会へ。ioとかにいる川根さんと今回初めてお会いしたのですが、終始楽しそうで見ていて楽しかったです。バイリンガルだそうで、外人勢とめっちゃ盛り上がっててすごかったです。

帰りに通りがかったすしざんまいでミク撮り。

ド定番スポットでも撮り。


帰りの撮り鉄

展示機材は行きはハンドキャリーでしたが、帰りは事務局と一緒に渋谷に送ってもらうチートをさせてもらったので、帰りは東武周りで半蔵門線乗り通しの帰宅にしました。

清澄白河で一瞬撮り鉄。ホームドア未設置もここがラストだとか。

USB SSDにインストールしたRaspberry Pi OS BookwormをTrixieに入れ替えてセットアップする話

普段づかいのRaspberry Pi OSのデスクトップ環境は、このブログのサイドバーに鎮座しているバッファローのUSB SSDを使用しています。

容量控えめの250GBを使っていますが、それでもラズピッピ用途としてはでかいので、昔書いたブログの要領で、後ろの100GB程はExFAT領域として、データ置き場にしています。

akkiesoft.hatenablog.jp

今日は、このSSDに入っているRaspberry Pi OS Bookwormを、後ろのデータ領域を維持したままTrixieクリーンインストールで入れ替える話です。

とりあえずバックアップ

できるであろうことはわかりきっていますが、それでもミスってデータをふっ飛ばしてしまってはいけないので、データ置き場の部分を適当にバックアップしました。

また、OSはディストリビューションのアップグレードではなく、ディスクイメージの焼き直しになるため、ホームディレクトリも丸ごとバックアップしました。

パーティションのメモ

ではやっていきます。作業は別のRaspberry Pi環境を使用しました。fdiskコマンドでパーティションを細かく操作したり、ddコマンドを使用してOSイメージを書き込んだりするので、Linux環境で作業してください。

まずは現在のUSB SSDパーティションテーブルを確認してメモします。sda1と2がこれから消えるBookworm環境、sda3がデータ置き場です。

$ sudo fdisk -l /dev/sda
Disk /dev/sda: 232.89 GiB, 250059350016 bytes, 488397168 sectors
Disk model: SSD-PSTU3A      
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes
Disklabel type: dos
Disk identifier: 0xe5085b0b

Device     Boot     Start       End   Sectors   Size Id Type
/dev/sda1            8192   1056767   1048576   512M  c W95 FAT32 (LBA)
/dev/sda2         1056768 244727807 243671040 116.2G 83 Linux
/dev/sda3       244727808 488396799 243668992 116.2G  7 HPFS/NTFS/exFAT

OSの書き込み

作業環境上にRaspberry Pi OS Trixieのデスクトップ版ディスクイメージ(64bit版)をダウンロードします。

www.raspberrypi.com

そして、ddコマンドで書き込みます。xzファイルで圧縮されたままのディスクイメージでも、xzcatコマンドを使ってパイプでつなぐことで書き込みができました。それにしても遅いなあと思っていたら、bsオプションをつけ忘れていました。bs=10Mを指定していたらもう少しくらい早かったかもしれません。

$ xzcat 2025-10-01-raspios-trixie-arm64.img.xz | sudo dd of=/dev/sda status=progress
6399476224 bytes (6.4 GB, 6.0 GiB) copied, 243 s, 26.3 MB/s
12533760+0 records in
12533760+0 records out
6417285120 bytes (6.4 GB, 6.0 GiB) copied, 243.652 s, 26.3 MB/s

パーティションいじり

それではここからはパーティションいじりです。fdiskコマンドでパーティション一覧を確認すると、sda3が吹っ飛んで、先ほど書き込んだディスクイメージの通りのパーティションテーブルになっています。

$ sudo fdisk /dev/sda

Welcome to fdisk (util-linux 2.41).
Changes will remain in memory only, until you decide to write them.
Be careful before using the write command.

This disk is currently in use - repartitioning is probably a bad idea.
It's recommended to umount all file systems, and swapoff all swap
partitions on this disk.


Command (m for help): p

Disk /dev/sda: 232.89 GiB, 250059350016 bytes, 488397168 sectors
Disk model: SSD-PSTU3A      
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes
Disklabel type: dos
Disk identifier: 0x96653d61

Device     Boot   Start      End  Sectors  Size Id Type
/dev/sda1         16384  1064959  1048576  512M  c W95 FAT32 (LBA)
/dev/sda2       1064960 12533759 11468800  5.5G 83 Linux

通常のRaspberry Pi OSは、初回起動時にパーティションを拡張しますが、今回はそんなことをされるとデータ置き場が破壊されるため、最初にメモしたパーティションテーブルに復元していきます。というわけで、まずはsda2を消します。

Command (m for help): d
Partition number (1,2, default 2): 2

Partition 2 has been deleted.

続けて作成。元のsda2は開始セクターが1056768、終了セクターが244727807でした。Trixieでは開始セクターが1064960と少し後ろズレているので、開始はこちらに合わせて、終了は元の終了セクターを指定します。ext4ファイルシステムシグネチャがあるけど処す?と聞かれるので処さない(N)を選択します。

Command (m for help): n
Partition type
   p   primary (1 primary, 0 extended, 3 free)
   e   extended (container for logical partitions)
Select (default p): p
Partition number (2-4, default 2): 
First sector (2048-488397167, default 2048): 1064960←Trixieの開始セクターを指定
Last sector, +/-sectors or +/-size{K,M,G,T,P} (1064960-488397167, default 488397167): 244727807←Bookwormでの終了セクターを指定

Created a new partition 2 of type 'Linux' and of size 116.2 GiB.
Partition #2 contains a ext4 signature.

Do you want to remove the signature? [Y]es/[N]o: N←シグネチャは消さない

ここで現在のパーティションテーブルを表示すると、以下のようになります。

Device     Boot   Start       End   Sectors   Size Id Type
/dev/sda1         16384   1064959   1048576   512M  c W95 FAT32 (LBA)
/dev/sda2       1064960 244727807 243662848 116.2G 83 Linux

データ置き場のパーティションを復元します。メモした通り、開始セクターは244727808、終了セクターは488396799と、完全に元の数値を指定します。ここでもexfatシグネチャについて聞かれるので、Nを押して維持します。

Command (m for help): n
Partition type
   p   primary (2 primary, 0 extended, 2 free)
   e   extended (container for logical partitions)
Select (default p): 

Using default response p.
Partition number (3,4, default 3): 
First sector (2048-488397167, default 2048): 244727808←元の開始セクターを指定
Last sector, +/-sectors or +/-size{K,M,G,T,P} (244727808-488397167, default 488397167): 488396799←元の終了セクターを指定

Created a new partition 3 of type 'Linux' and of size 116.2 GiB.
Partition #3 contains a exfat signature.

Do you want to remove the signature? [Y]es/[N]o: N←シグネチャは消さない

パーティションテーブルを確認します。作成したsda3の種類がLinuxになっているで、もとの「HPFS/NTFS/exFAT」に変更しましょう。

Device     Boot     Start       End   Sectors   Size Id Type
/dev/sda1           16384   1064959   1048576   512M  c W95 FAT32 (LBA)
/dev/sda2         1064960 244727807 243662848 116.2G 83 Linux
/dev/sda3       244727808 488396799 243668992 116.2G 83 Linux

変更はtコマンド、パーティション番号は3を指定して、Hex codeには07を指定します。Lを押すとリスト化゛出ますがここでは割愛します。

Command (m for help): t
Partition number (1-3, default 3): 3
Hex code or alias (type L to list all): 07

Changed type of partition 'Linux' to 'HPFS/NTFS/exFAT'.

最後の確認。問題ないことを確認したら、wコマンドで書き込みをして終了します。

Device     Boot     Start       End   Sectors   Size Id Type
/dev/sda1           16384   1064959   1048576   512M  c W95 FAT32 (LBA)
/dev/sda2         1064960 244727807 243662848 116.2G 83 Linux
/dev/sda3       244727808 488396799 243668992 116.2G  7 HPFS/NTFS/exFAT
||<<

パーティションを拡張したsda2のファイルシステムもパーティションいっぱい使うように、resize2fsコマンドで拡張します。もしe2fsckを先に実行せよと言われた場合は、指示に従ってe2fsckをsudo付きで実行します。

>|bash|
$ sudo resize2fs /dev/sda2
resize2fs 1.47.2 (1-Jan-2025)
Please run 'e2fsck -f /dev/sda2' first.
$ sudo mount /dev/sda2 /mnt
akkie@usbpi:~$ df -h
/dev/sda2        117G  4.7G  107G    5% /mnt

$ sudo umount /mnt

SSDのデータ置き場については、USB SSDを抜き取って再度差し込めば、認識するでしょう。バッチリですね。

Raspberry Pi OSの調整

先述のとおり、Raspberry Pi OSは初回起動時にパーティションファイルシステムのリサイズをしようとするので、それをあらかじめ無効化します。書き込んだOSのルートパーティションを作業環境上にマウントして、chrootを実行して作業していきます。/mntにマウントしてchrootをする前に、/procと/sysも/mnt以下にそれぞれマウントする必要がある点に注意します。

$ sudo mount /dev/sda2 /mnt
$ sudo mount -t proc none /mnt/proc
$ sudo mount -o bind /sys /mnt/sys
$ sudo chroot  /mnt

プロンプトがroot@<作業環境のホスト>名になりますが、/home以下が作業環境とは異なる構成になっているはずなので、そうなっていることを確認しておくと良いでしょう。自分の環境と同じ場合は、マウントしているパーシティションを間違えている可能性があります。

リサイズを無効化するにはrpi-resize.serviceをsystemctlでdisableするだけです。簡単ですね。

root@trixie:/# systemctl disable rpi-resize.service
Removed '/etc/systemd/system/sysinit.target.wants/rpi-resize.service'.

終わったらexitで抜けて、/mnt/proc、/mnt/sys、/mntの順にアンマウントします。

$ sudo umount /mnt/proc
$ sudo umount /mnt/sys
$ sudo umount /mnt/

firstrun.shの移植

OSのディスクイメージをddコマンドで書き込みましたが、最近はRaspberry Pi Imagerでのカスタム書き込みに慣れてしまっていて、ここでもカスタムシていてほしいと思ったので、適当な空いているSDカードにカスタム設定入りのOSを書き込んで、USB SSDに移植しました。

カスタム設定をすると、/boot/firstrun.shが生成されるので、まずはこれをUSB SSDの/bootにコピーします。続けて、/boot/cmdline.txtの中身も移植します。パーティションIDだけはUSB SSDの内容を維持しつつ、SDカードの内容を適用します。

console=serial0,115200 console=tty1 root=PARTUUID=96653d61-02 rootfstype=ext4 fsck.repair=yes rootwait resize quiet splash plymouth.ignore-serial-consoles cfg80211.ieee80211_regdom=JP systemd.run=/boot/firstrun.sh systemd.run_success_action=reboot systemd.unit=kernel-command-line.target

起動!

これでようやくUSB SSDに書き込んだRaspberry Pi OSが起動できるようになりました。作業環境をシャットダウンして、USB SSDだけ差し込まれた状態でRaspberry Piに電源を入れます。しばらくして起動したら成功です。

バックアップから復元

Bookworm環境のバックアップから設定を戻してみたら、意外と戻せたので、戻したものリストです。Chromiumの設定を戻せたのは良かったです。あとはlxterminal。

  • .gitと.git-prompt.sh
  • .ssh
  • .bashrcは変更箇所だけ取り込み
  • lxterminal (.config/lxterminal)
  • Chromium (.config/chromium)
  • poedit (.config/poedit)

日本語環境のカスタマイズ

日本語フォントとfcitx5-mozcをインストールするのはいつもの作業ですが、fcitx5の設定が色々おかしくて難儀したので設定内容のメモです。

日本語配列キーボードを使用しているのに、かな入力をしていると、Enterキー周りのTHE JIS配列的なキー(ー、む、ろとかその辺)がUS配列っぽい文字になってしまいました。これはFcitx5の設定の「システムキーボードのレイアウトを選択」ボタンを開くて、レイアウトが「英語」になっていたのが原因でした。レイアウトを「日本語」に設定して解決できました。

もう一つはIMEの有効・無効切り替えに相当する「一時的に1入力メソッドに切り替える」になぜか左Shiftが設定されているところ。入力途中で変換前の候補が消えるので、何かと思っていたら、こいつのせいでした。ここを空にしたら問題なくなりました。

Mozcの方はローマ字入力からかな入力にしたのと、無変換・変換キーをMacっぽく英数・かなキー的な割当にしてみましたが、環境が変わると脳みそが切り替わるのかあまり使えていません。

フォントは、M Plus系を全体的に使ってみました。lxterminalではM PLUS Code Latin 60 Reguar 12pt、デスクトップテーマもM PLUS2 Regular 12ptとしました。いい感じですね。lxterminalの色だけちょっと直したいところですが。

壁紙とかもセット*1すれば、最高の作業環境の出来上がりです。ちなみにこの記事はRaspberry Pi 500で書きました。こないだのMaker Faire Tokyoで買っちゃいました。+が出るわけですが、やはりキー配列的な入力のしやすさはノーマのほうがいいっぽい気がしています。っていうかネガキャンっぽくなりそうで嫌なのですが、私が単に小さいキーボードが好きというか、慣らされているだけだと思っています。


まとめ

USB SSDに入ってたBookworm環境を、後ろのセクターにあるデータ置き場パーティションを破壊せずに、Trixieに入れ替える話でした。ついでにTrixie環境の諸々のセッティングも解説しました。

私も普段はマカーなので、わざわざRaspberry Piのデスクトップで何かをする必要などないのですが、逆にほぼ使っていない、何も雑念がないデスクトップやブラウザーのブックマークバーの環境で作業するのは、集中できる……気がしました。集中して作業できる環境づくりとしてRaspberry Pi OS Trixieのセットアップ、あとついでにPi 500とかPi500+などの購入を検討されてはいかがでしょうか(?????????)。

ちなみに、Pi 500は(本体のみ購入の場合)まもなく10ドルの値上げになる見込み。悩んでいる人は検討を加速すると良いかもしれません……。

www.raspberrypi.com

*1:よだれさんにSkebで描いてもらいました。ええミクやろ〜〜 https://skeb.jp/@yodare0p0/works/85

初期リビジョンのPimoroni Inky wHATがCircuitPythonで遊べるようになってた

Pimoroni製品が発売された瞬間に購入するものの宿命として、改良の余地がある初期リビジョンを所持してしまうというのがあるのですが、400x300の3色電子ペーパーのInky wHATもその一つで、いまいち活用できていないうちに、ライブラリによる自動検出ができるようになった改良版が出てきて、今年はついに4色(黒・白・赤・黄)電子ペーパーとなって価格も少しお安くなりました。

そんなわけで手持ちのInky wHATではライブラリによる自動検出ができず、コード側で手動指定するみたいなことはできますが、最近は多色電子ペーパーも買ってしまったので、断捨離として物好きな人におしつけお譲りしてもいいかなあと思って、再来週末のOSC 2025 Tokyo/Fallの自ブースで配布する袋に入れかけていました。

が、さっきなんとなく調べてみたら、CircuitPythonがライブラリを作って公開していました。前調べたときはなかったのになあと思ったら、リリース日は昨日。ウソでしょ……こんなタイミング良く見つけることある……?

github.com

試すしかないでしょ

というわけで早速ダウンロードしてお試ししました。Picoへの接続は、いつも通り拙作のuHAT Porter Picoです。

サンプルスクリプトをベースにして、まずは白い画面に赤と黒でテキストを出すものを作成。display = adafruit_ssd1683.SSD1683()の中で、サンプルとかドキュメントにはない「highlight_color=0xff0000」を追記していますが、これを書くと赤色に対応できるみたいです。

import time
import board
import busio
import displayio
from fourwire import FourWire
from terminalio import FONT
from adafruit_bitmap_font import bitmap_font
from adafruit_display_text import label
from adafruit_display_shapes.rect import Rect
import adafruit_ssd1683

displayio.release_displays()

spi = busio.SPI(board.GP18, MOSI=board.GP19, MISO=None)
epd_cs = board.GP22
epd_dc = board.GP8
epd_reset = board.GP9
epd_busy = board.GP2

display_bus = FourWire(spi, command=epd_dc, chip_select=epd_cs, reset=epd_reset, baudrate=1000000)
time.sleep(1)
display = adafruit_ssd1683.SSD1683(display_bus, width=400, height=300, busy_pin=epd_busy, highlight_color=0xff0000)
g = displayio.Group()
display.root_group = g

rect = Rect(0, 0, 400, 300, fill=0xffffff)
g.append(rect)

t = label.Label(FONT, text="HELLO!!!!", color=0xFF0000, scale=3,x=10,y=20)
g.append(t)
t2 = label.Label(FONT, text="HELLO!!!!", color=0x000000, scale=3,x=10,y=50)
g.append(t2)

display.refresh()
print("refreshed")

time.sleep(display.time_to_refresh + 5)
# Always refresh a little longer. It's not a problem to refresh
# a few seconds more, but it's terrible to refresh too early
# (the display will throw an exception when if the refresh
# is too soon)
print("waited correct time")

# Keep the display the same
while True:
    time.sleep(10)

そして実行結果はこんな感じ。


画像も出せた

画像も試してみます。画像の作成にはシャポコさんのArrayfyを使用しました。これめちゃくちゃ便利。PNG画像をダウンロードした後、Gimpで3色のインデックスカラーに変換して、BMPとして出力しています。BMPのファイルサイズは60KBほど。PNGのデコードができるライブラリはあるのですが、Pico/Pico2ではRAM不足でコケるので、displayio.OnDiskBitmap()を使用してBMPのデコード・表示をしています。

shapoco.github.io

コードはこんな感じのを、上のやつの描画部分と差し替えればいけます。

bmp = displayio.OnDiskBitmap("reducedImage.bmp")
tilegrid = displayio.TileGrid(bmp, pixel_shader=bmp.pixel_shader)
g.append(tilegrid)

で、使うの?

そうなんですよねえ。何に使うの?ってのがないと結局使わないので、悩ましいですよね。会社に持っていって何かを表示するのに使ってもいいのかなって思ったけど、何を?ってのがやっぱないんですよね。サーバーのなんかの情報とか?

ちょっと引き出しに戻して、何に使えるか考えましょうかね(断捨離失敗のおたく)

Raspberry Pi OS Trixieがリリースされた(日本語周りのアップデートとかの話)

されました。

www.raspberrypi.com

オープンのRCリリースから触ってみていますが、今のところまだそこまで使い込めていないのもあって、大きな違いは無さそうです。もちろん、アイコンとかの変化とかはありますが。aptコマンドの出力がなんか整ったっぽいというか、dnfっぽくなったていうかが、まだ微妙に見慣れません。

一番大きそうなのは、GUIのデスクトップ設定ツールがControl Centreというツールに集約されたあたり。今までは3〜4つのツールに分かれていたので、設定といえばこれを開けばOK!となり、けっこうわかりやすくなりました。そして、これの面白いのところが、Control Centre自体はただの枠みたいなもので、各ツールはプラグイン化されたような感じになっているところ。ておくれにしかわからない表現ですが、mikutterっぽい思想ですね。

日本語フォント

RCテストの段階では、noto-sans-monoがイメージから欠落していたため、デスクトップをウィザードでセットアップしてかつ、セットアップ中にアップデートを実行しない限り、デスクトップのあらゆる文字が豆腐になる状況でした。テストで気づいて報告したら間に合ってバンドルしてもらえたので、CJK(中国・日本・韓国)圏の文字表示が守れました……。

ちなみに、セットアップ中にアップデートを実行するとfonts-vlgothicが入って、noto-sans-monoよりは見やすくなります(個人の感想です)。これはわたしが前になんかのタイミングでコメントしたものが取り入れた……らしいものの一つですが、Debian本家では「もうNoto Sans CJKが標準でよくね?」という議論があったらしく、なるほど、どうしたものかという思っているところです。議論されていた方々とは、OSCかFbで相談させてもらうのが良さそうかな……?。noto-sans-monoとnoto-sans-cjkだとたぶん見え方も違うとは思いますが。個人的には最近はM PLUS系も好きで、下に貼られているスクショのフォントはM PLUSになっています。

lists.debian.or.jp

翻訳まわり

UIの翻訳アップデートに関しては、RCテストからでは収録に間に合わず、そもそもやるべきところも見誤ってタスクバー関連の翻訳をしてしまったので(それはそれでいいんですが……)、Control Centre内の各プラグインは英語が多めになっています。未着手のプリンター以外はマージされて、次のパッケージ更新があれば、色々いい感じになっていくと思います。

って書いていたら、ちょうどアップデートが降ってきました。スクショにある全部のパッケージが、たぶん日本語翻訳の更新です。

Raspberry Pi Connectのパネルプラグイン。誰も翻訳してなかったらしく、英語以外では初の言語でした。

パネルのプラグイン管理は、セパレーター関連の未翻訳を作業。

そしてControl Centreと、そのプラグインになった各ツール。プリンターだけ未作業というか、GNOMEから持ってきたらしいリソースに錚々たるOSS関係者の名が並んでいて、混ざるの怖いよ〜っていうか、フォークしてリソースが増えた分の扱いってどうなるの〜とか。いい始めると他のツールもリソース的には原型がなくなりつつあるやつもあって、大丈夫かこれ……?とはなりますが。

今まで「このツールは一旦いいや……」と思っていたやつが急にControl Centreとしてまとめられたので、中途半端な翻訳ぐあいが突然露呈して、全部やらざるを得なくなった感はあります……。

Control Centreというツールの名前自体は、一旦製品名であることを尊重してそのままにしてありますが「コントロールセンター」にしても良かったかも?「Centre」について「Centerのほうが良い」というコメントはありましたが、それをやるならen_USね、ということで……。少なくとも私はイギリス人のプロダクトに向かって「イギリス英語って日本では馴染みがないから日本訳ではアメリカ英語使うね」と言う度胸はなく(向こうから見たら悲しいし、いや日本語にせんのか〜い!になってしまうじゃない?)。ただし、別の言語の翻訳PRでは、Control Centreも遠慮なく翻訳されている模様。やっぱり、次に作業する時にでも、しれっと訳しておきましょうかね?

Add Japanese translation by Akkiesoft · Pull Request #1 · raspberrypi-ui/rpcc · GitHub

以上、日本語周り、裏でせっせとやってましたというタダのアピールでした。ツールの統廃合とか再分離とかで、昔翻訳したのに消え去って戻ってしまっているみたいなのもまあまああって、ンモ〜とはなりましたが、なんとかなって良かったです。

Raspberry Pi 500+がでた

きのう、出ましたね。というわけで、今回はサンプルをお預かりしていましたので、raspi.jpの方でレビューを書きました。

www.raspi.jp

以下は記事を読んだあとで読むのをおすすめします。

上の記事で書いたとおり、どうにもキー配置が私の指と合わずつらいので、個人的には買うならPi500のほうかなと思っています。欲を言えば、Pi500にM.2スロットが実装されてSSD搭載はなしみたいなモデルが+10ドルくらいで出てくれれば心置きなく500を買いに行けるんですけど、それすらUSB SSDブートでいいじゃん?と思っているので、やっぱなくてもいいかなっていう。

あとは、PoE実装の余地が残っているのが興味深いところです。そもそもPi 5のPoE+ HAT+もまだなので、それが登場したら可能性があるのかなと思ったりもします。直近rpi-power HATなるもののDeviceTreeが追加されているので、なにか作っていそうではあるのですが。

github.com

Pi500+に話を戻し、キースイッチがClickyなのも使う場所を選びそうです。個人的には静か感触もあるタクタイルのほうが好きで、リニアも最近悪くないなあという感じになっているので、キースイッチなあ〜となっているところでした。

価格が4万弱しているのに引かれそうなのがアレですが、たぶん1/3くらいはメカニカルキーボードの部分、残りがPi 5 16GB RAM的な部分と、256GB SSDって具合かと思われるので、まあそもそも組み合わせとして嗜好品的なモデルではあります。仕方ないね。